「新人介護職員のための技術研修」開催レポート
update 2025/12/08

岐阜県内の介護事業所・施設で働く入職後3年未満の職員を対象とした「新人介護職員のための技術研修(主催:岐阜県、委託先:一般社団法人岐阜県介護福祉士会)」が2025年11月6日、大垣市情報工房の多目的研修室で開かれました。
同研修は、介護のプロとして必要な知識・スキルを「コミュニケーション」「介護の原則」「移動・移乗の生活支援技術」「衣服着脱の生活支援技術」「排泄の生活支援技術」の5テーマに分け、実践的に学ぶ毎年恒例のプログラム。大垣市の他、岐阜市や土岐市、高山市など県内6カ所で開かれたもので、この日は22名が受講しました。講師を務めた岐阜県介護福祉士会の浅井タヅ子会長は、研修の目的について「同じ立場、同じ志を持つ人たちが事業所の垣根を超えて集まり切磋琢磨することで、介護の仕事に対するモチベーションを高めてもらえれば」と話していました。
以下、研修の一部をご紹介します。
「衣服着脱の生活支援技術」

はじめに、衣服を着替えることの意義や望ましい衣服の素材・デザイン、「脱健着患(だっけんちゃっかん:衣服を脱ぐときは健康な側から、着る時は痛みや麻痺がある側からという考え方)」などについて講師が解説。その後、参加者同士が互いに利用者役と介助者役になってロールプレイに取り組みました。「声かけをして同意を得る」「着たい服を利用者様自身に選んでもらう」「利用者様の残存機能を生かして、可能な限り自分で着替えてもらうように促す」といったポイントを意識すると、利用者様も介助者も負担が少なく着替えができることを学びました。
「排泄の生活支援技術」

「衣服着脱」と同様に、座学からスタート。排泄の意義やメカニズム、利用者様の尊厳を保ちながら排泄をサポートする工夫などについて講師が解説した後、ベッド上に横たわったモデル人形を使ってオムツ交換の実演が行われました。テープ式オムツを装着した時の尿の流れをシミュレーションしながら「オムツの内側にあるギャザーをしっかり立ててから、太ももの付け根に沿うように当ててください。隙間を作らないのが尿もれを防ぐポイント」と講師が説明すると、参加者は熱心に見入っていました。
「交流会」

研修の終盤では、事業所の垣根を超えた参加者同士の交流会も実施。グループに分かれ、介護職を志した理由や、それぞれが実感してきた仕事のやりがい、新入職員ならではの悩みなどについて話し合いました。参加者たちは入職3年未満で共通点が多くあり、すぐに打ち解けられた様子。どのグループも会話が盛り上がり、笑顔があふれる時間となりました。
そして、研修の締めくくりとして、講師陣が介護職の資格の種類やキャリアの広げ方について紹介。自身の経験や介護の仕事に対する思いも披露されました。
講師の西脇孝幸さんのコメント:
「介護は、利用者様が最後までその方らしく生き抜くことを支援する仕事。日々の関わりから喜びがいただけて、自分自身の成長も実感できます。入職年次に関係なく、プロ意識を持って利用者様と向き合ってください。一緒にがんばっていきましょう」
講師の崎原奈津美さんのコメント:
「これまでたくさんの利用者様の人生を見させていただきました。その一つひとつが宝物です。資格を取得すると、専門職として活躍の場がどんどん広がっていくので、ぜひチャレンジしてください。私ももっと成長していきたいと思います」
研修に参加した方々の感想 |
ただ席に座って講義を聞くだけでなく、実技もたくさん体験できて、想像以上に中身の濃い充実した研修だった。 介護の仕事はコミュニケーションが大切だと再認識できた。明日から現場で実践していきたい。 なぜそのような手順なのか、介護技術のベースにある原理原則を改めて学ぶことができ、自分の仕事を振り返る機会になった。 人間関係のことや夜勤の大変さなど、悩んでいるのは自分だけではないと思えて、前向きな気持ちになれた。 自施設の職員同士の関係性だけでは得られなかった新しい考え方や視点を知ることができた。 認定介護福祉士など、介護職員としてのキャリアパスを教えていただき、新たな目標ができた。 |
締め
今回の研修は参加者の方々に、大いに刺激と意識の変化をもたらしたようです。岐阜県介護福祉士会では入職年次や目的に合わせたさまざまな研修を実施していますので、ぜひご参加ください。
■介護職向けの研修に関する問い合わせ先
岐阜県介護福祉士会
TEL:058-322-3971
