お知らせ

「認定事業取り組み事業者セミナー&交流会」開催レポート

update 2021/11/17

「岐阜県介護人材育成事業者認定制度」において、グレードを取得している、または取組宣言をしている介護サービス事業者を対象にした「セミナー&交流会」が2021年11月4日(木)、各務原市のテクノプラザで開催されました(主催:岐阜県、運営:公益財団法人介護労働安定センター岐阜支所)。今回のテーマは「いざという時のために~事業継続への備え BCP策定に向けて~」。災害や感染症など、有事のBCP(事業継続計画)について考えるためのセミナーで、会場には入所施設や通所施設の管理者ら23人が集まりました。

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【BCPとは】

Business Continuity Planの略で、災害や感染症など不測の緊急事態が発生しても、事業を中断させない、または中断しても早期再開させるための方針、体制、手順等を示した計画のこと。令和3年度介護報酬改定で、すべての介護サービス事業者にBCPの策定や研修、訓練(シミュレーション)の実施が義務付けられました(3年の経過措置期間あり)。


【セミナー】

イベントの前半は、びわこ学院大学教授で福祉リスクマネジメントの専門家である烏野猛氏が「防災・感染症BCP(事業継続計画)作成の考え方」と題して講演。烏野氏は「有事の被害を最小化する決め手は“調整力”」と話し、「地震や台風、豪雨などの自然災害、新型コロナウイルスのような感染症はこれからも発生し得るもの。ゼロリスクを前提とした従来の緊急時対策から、リスクに優先順位を付ける新しい考え方へシフトする必要がある。BCPは手段であって目的ではない。本当の目的は利用者様や職員を守ること。さまざまなリスクを想定し、いざ危機が発生した時にその影響を最小化する備えと調整力を身に付けてほしい」とアドバイスしました。参加者の皆さんはメモを取りながら熱心に聞き入っていました。


[BCP策定のポイント]

◆リスクに優先順位を付ける:「どこまでのリスクなら負うことができるのか」という考え方を持つ。

◆みんなで考え、作る:BCPを実行するのは職員。有事の対応をできるだけ多くの職員と一緒に検討する。

◆段階を踏んで順に取り組む:最初から完璧な計画を策定するのは困難。できる範囲から少しずつ策定を進める。

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【交流会】

後半の交流会では、参加者の皆さんが4、5人ずつのグループに分かれ、災害時における利用者支援のあり方や、BCP策定の進捗状況などについて意見を出し合いました。
約3時間におよんだ今回のセミナーは、参加者の多くの方々にとって、BCPの策定や防災対策の必要性を再確認する貴重な機会になったのではないでしょうか。
岐阜県ではこれからも、介護サービス事業者を支援するさまざまなイベントを開催していきます。どうぞご期待ください。


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イベント運営団体からのメッセージ

有事にも安心という信頼が

「選ばれる事業所」の要素の1つに


令和3年度介護報酬改定でBCPの策定や防災対策が義務化された背景には、近年発生頻度が増している自然災害や新型コロナウイルスの流行があると考えられます。介護サービスは利用者の方や、そのご家族の生活を継続する上で欠かせないもの。有事にも必要なサービスが安定的かつ継続的に提供されなければなりません。災害や感染症がより身近な問題となってきた今こそ、「いざという時のリスク」に向き合い、備えをしっかりと取るべきタイミングと言えるでしょう。
BCPの策定や防災対策を行うことは今後、介護事業所として信頼されるための重要な要素になり、事業所の価値向上、ひいてはそこで働く人材の採用促進や定着につながる可能性があります。とはいえ、検討すべき事項が多く、一足飛びに進まないのも事実ですから、2024年の義務化まで猶予期間として設けられた3年間を有効に活用し、事業内容や地域特性に合った実効性のある体制を整備していきましょう。その実現に向けて、今日のイベントに参加された事業者様にはぜひ、ロールモデルとなっていただきたいですね。私たち介護労働安定センターも各事業所様を全力でサポートさせていただきたいと思います。

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▲公益財団法人介護労働安定センター岐阜支所 岐阜支所長の志水茂さん(右)、同・啓発実践コーディネーターの西田弘伸さん(左)

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