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「介護に関する入門的研修 基礎講座」開催レポート

update 2021/03/25

介護の仕事や介護に興味を持っている人を対象にした「介護に関する入門的研修 基礎講座」が2021年3月12日(金)、岐阜市の岐阜産業会館会議室で開催されました(主催:岐阜県、委託先:一般社団法人 岐阜県介護福祉士会)。

「介護に関する入門的研修」は、子育てが一段落した未就業の方や、退職後の中高年齢者の方など、多様な介護人材の参入促進を目的に厚生労働省が制度化したもの。介護サービスの種類や利用の流れ、安全な介助方法、認知症・障害に関する知識などを学びます。カリキュラムは3時間の「基礎講座」と、18時間の「入門講座(基礎講座の翌日以降、3日間に渡って開催)」の2種類。基礎講座のみの受講も可能です。各講座を修了すると、介護職員初任者研修などの上位資格を取得する際に一部科目が免除されるため、これまでに介護の仕事の経験がない方や、「挑戦してみたいけど、資格を持っていないから不安」という方も現場に入りやすくなることが期待されています。
この日の研修には22人が参加。講師の浅井タヅ子先生、浅井千加志先生が「身体介助は力任せにしがち。ボディメカニクス(身体本来の動く仕組み)を考える、テコの原理を活用するなど、いくつかのポイントを押さえれば、最小の力で介護する人にもされる人にも負担がかからない」などと説明し、自身の体験を交えながら介護職のやりがいや楽しさを話すと、受講者の人たちは熱心にメモを取っていました。
笠松町から参加した60代の女性は「今後、同居する80代の両親の介護が必要になるかもと思い、受講しましたが、介護職についても学べて良かった。ちょうど定年退職したばかりなので、入門講座にも参加してセカンドキャリアの選択肢にしたい」と話していました。

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講師:浅井タヅ子先生に伺いました

メディアでもたびたび取り上げられている通り、介護業界では深刻な人材不足が問題となっています。その理由のひとつが、介護職は「重労働だ」という印象を持たれていること。確かに介護の仕事は入浴や排泄の介助など、大変な作業も少なくありません。でも実は正しい技術を習得すれば、身体に負担をかけずに介助することができます。つまり、介護の仕事は悪いイメージや誤解が先行してしまっているように思うのです。今後は「利用者様一人ひとりが最後にどう生きたか」に深く関われる介護職のやりがいや魅力をよりアピールしていくことに加え、アクティブシニアなど、これまで以上に多くの年代の方が介護業界に入りやすい環境や仕組みを整えることが必要でしょう。その意味で、2018年度からスタートした「介護に関する入門的研修」は、介護未経験者でも受講しやすく、担い手の裾野を広げる契機になることが期待されています。県内在住で、介護の基本的な知識を学ぶ意欲のある方なら、どなたでも受講可能。受講料も不要なので、ぜひ1人でも多くの方に、介護の世界の扉を開けていただきたいと願っています。

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▲浅井タヅ子先生(岐阜県介護福祉士会会長/介護福祉士)


講師:浅井千加志さんに伺いました

「介護に関する入門的研修」は、県が発行する修了証書がもらえる公的な研修です。カリキュラム時間数は21時間と、上位資格の介護職員初任者研修(130時間)よりも短いため、受講しやすい研修といえるでしょう。この研修で私たち講師が心がけているのは、できるだけわかりやすい言葉や具体例を用いて説明すること。そうすることで、受講した方々の介護への興味がさらに増して「もっと学んでみよう」「介護の仕事をやってみたい」と思うきっかけになればいいなと考えています。
介護の仕事は専門性が求められる分野ですが、誰にとっても「入りやすく昇りやすい」仕組みであることが理想です。入門的研修はその実現に向けて、大いに寄与するもの。比較的新しい研修制度なので、受講者のみなさんの声を聞きながら、今後より良い講義を提供できるようにしていきたいと思います。

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▲浅井千加志先生(岐阜県介護福祉士会青年部推進委員/介護福祉士)

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