介護の勉強 私たちらしい働き方

堤 博崇さん

堤 博崇さん

入職1年目
  • 事業者ジャンル

    特別養護老人ホーム
  • 勤務先

    岐阜県立寿楽苑/社会福祉法人 岐阜県福祉事業団(認定事業者)
  • 取得資格

    なし
  • 取材年

    2017年

特別養護老人ホームとは

原則として、65歳以上で「要介護3以上」の認定を受け、自宅での生活が困難な方が入居できる施設。入浴、排せつ、食事、身体の移動など、24時間の介助を受けながら暮らせます。

現場経験を重ね、視野を広げることで

日々の生活に+αの楽しみを提供したい。

介護職をめざしたきっかけ

元々、福祉系の職に就きたいという思いはあったのですが、当時はまだ保育士の道へ進むか、介護職を選ぶかという迷いがありました。しかし、高校時代に直面した大好きな祖父の死という出来事をきっかけに、介護職への関心がひと際高くなりました。
大学時代は、保育や介護など幅広く福祉全般の勉強をしながら、特別養護老人ホームでアルバイトをするなど、高齢者の方と関わる機会が増えるように。はじめの頃は高齢者の方と何を話して良いのか、どのように介助したら良いのかまったくわからず、戸惑うことばかり。そんな中、内気でなかなか話ができない私に、利用者様が話しかけてくださるようになり、少しずつ打ち解けることができるようになりました。
在学中のアルバイトの経験や、社会福祉士の実習の中で、先輩職員の方々にご指導いただきながら、徐々に会話や介助にも慣れることができ、業務だけではなく、高齢者の方と接する楽しみを感じるようになりました。
そしてもう一つ、介護の仕事を志す背景にあったのが、両親への感謝の気持ちです。中学、高校時代に不登校になるなど、これまで両親には迷惑をかけ続けてきました。進路を考える中で、両親が祖父のように年老いた時に、自分がそばにいてしっかりと介護ができれば少しは恩返しになるのではないかと思い、介護職の道へ進むことを決意しました。

私は今、こんな仕事をしています

現在は、特別養護老人ホームで暮らす利用者様の日常生活のお手伝いをするのが主な業務です。日々の排泄や食事、入浴の介助などのサポートを行い、利用者様が安心して安全に生活できるように心掛けています。中でも栄養摂取や日々の楽しさにもつながる口腔ケアに関しては、特に重視しています。寿楽苑では、全職員を対象に毎月研修があり、食後には利用者様一人ひとりと向き合いながら適切な口腔ケアを実践。その他、様々な介助の場面では利用者様が「できること」、「できないこと」を見極めながら、日常の中の些細な変化にも気を配り、ケアにあたっています。
入職して1年目ということもあり、今は日々の介助で精一杯。目の前の業務に集中して、つい視野が狭くなりがちですが、日常生活の基本的な介助に加えて、利用者様が少しでも楽しみや喜びを感じていただけるような、自分なりのケアを増やしていくことが目標です。例えば、入所される以前は甘い物が大好きでよく召し上がっていたという方には、散歩しながら施設内にある喫茶スペースへお連れしたり、特に足元が冷えるという利用者様には足湯を用意したり。「昔を思い出して楽しかったわ」、「ありがとう」、「昨晩は足湯のおかげでよく眠れたわ」など感謝の言葉をかけていただいた時に、この仕事をやっていて良かったと心から感じます。

この職場の好きなところ

新人一人ひとりに指導員がつくチューター制度により、安心して仕事に打ち込むことができています。日々の中で困っていることなども気軽に相談できますし、どんな些細な悩みにもとても親身になって耳を傾けていただいています。
また、看護師、ケアマネジャー、理学療法士、介護士など他の職種の方々とも密に連携を取りながらケアにあたることができる点は、非常に勉強になります。緊急事態が起きた時の早期発見、早期対応にもつなげられるように、常に情報の共有が行われていることも、経験の浅い私にとっては非常に心強く感じる点です。
さらに、月に1回催される機能訓練を兼ねた外出の付き添いは、私自身にとっても楽しみの一つです。先日行われたバーベキューでは、普段経鼻によって栄養補給を行っている方が、目をしっかりと見開いて、自分の手を使いお肉を口に運ぼうと試みるなど、利用者様の変化を実感できる場でもあります。利用者様の五感を刺激するような機会を、これからも増やして行きたいと思います。

今後の目標

介護職にとって重要なことは、知識と現場経験の両方をしっかりと蓄積していくこと。現場を熟知していても知識がないと力を十分に発揮できないでしょうし、知識があっても現場を知らなければ視野を広げることができません。今はまだ先輩職員の方々に教えていただくことばかりですが、いずれは自分が指導する立場になるということも念頭に置きつつ、介護の現場でスキルを身に付け、「利用者様にとって何が適切な支援なのか」を自分なりに導き出せるようにしたいです。
その上で、現在勉強を進めている社会福祉士の取得へ向けて日々努力を続け、再来年には介護福祉士を取得すること、さらに将来的にはケアマネジャーの資格を取得し、相談員として介護の仕事に携わることが目標です。

私のワークライフバランス

仕事をする上で大切なことは、プライベートな時間の過ごし方。遊ぶことへの充実感があるほど、仕事にも打ち込めると思います。だからこそ仕事とプライベートはしっかりと分けて、どちらも充実した時間が過ごせるように心掛けています。
プライベートでは「遊ぶ時は遊ぶ!」と気持ちを切り替えて、様々な新しいことにも挑戦しています。例えば先日は、人生初のバンジージャンプを経験。また家で過ごす時にはゲームをしたりマンガを読んだり、映画鑑賞をしたりと、好きなことに没頭する時間をつくるようにしています。
※インタビュー内容は取材時のものです。
  • 堤 博崇さんが働いている認定事業者

    社会福祉法人 岐阜県福祉事業団

  • 〒500-8385 岐阜県岐阜市下奈良2-2-1
  • http://www.gifu-fukushi.jp
詳しく見る

前のインタビューへ

次のインタビューへ