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「新人介護職員のための技術研修と交流会」開催レポート

update 2017/11/17

2017年11月16日(木)に岐阜産業会館で、介護の仕事に就いて3年未満の介護職員に向けた「新人介護職員のための技術研修と交流会」が開かれました(主催:一般社団法人岐阜県介護福祉士会)。岐阜県内の介護事業所・施設の新人介護職員の育成と定着が目的で実践的な技術研修だけでなく、他施設の職員との情報や意見の交換を行う交流会の時間も設けられました。参加者の約8割が1年未満ということもあり、熱心にメモを取ったり技術を身につけようとする姿が見られました。


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まず初めに、岐阜県介護福祉士会会長の浅井タヅ子氏による「コミュニケーション」の大切さを学ぶ講義が行われました。介護の現場の悪い見本を映した映像を見ながら、様々な場面で何が良くないのか、どう変えたらいいのかを解説。「よく使われる『ちょっと待ってね。』という言葉も、利用者様の立場になると曖昧で不安になるもの。『5分ぐらいだけど待ってもらえますか?』など、具体的に伝えることがとても大事。」と話され、また、食事や入浴を促す言葉も、「理屈はNG。利用者様の生きてきた時代に合わせて気持ちよく食事や入浴をしてもらえる言葉がけを心がけると、相手の表情や態度が変わり素敵に見えてくる。すると仕事もやりやすくなり、自分自身も好きになる。言葉だけでなく、身振り手振り、間合い、感覚など、介護は全てコミュニケーションから始まる。」とアドバイスされました。


「移動・移乗の生活支援技術」

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左麻痺の方のベッド上の移動やベッドから車いすへの移乗の仕方について、アシスタントによる実演を見た後、5つのグループに分かれて実習。ここでも、これから何をするのかを利用者様に伝える言葉がけから始まること、利用者様の安全を第一にしつつ、全てやってしまうのではなく、体の動く方でできることを増やせるような言葉がけやサポートが大切であることを、実践を通して学んでいました。


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車いすで2階の講義室からエレベーターを使い1階の屋外へと移動し、スロープの上り・下り、段差の上り・下りを学びました。車いすに座り利用者様の立場を体験した参加者は「大きな段差だとすごく怖かったので、背もたれにしっかりと体をつけてくださいね。といった言葉がけの大切さが分かった。」と話してくれました。


「衣服着脱の生活支援技術」

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午後からは、左麻痺の方のベッドに座った状態でのパジャマから丸首の服への着替えを、実戦形式で学びました。手を添える位置、自立を促すサポートの仕方、自分の体を痛めないボディメカニクスを活用した腰の動きなど、すぐに現場で生かせる技術を学びながら介護職員、利用者様、両方の立場を交代で体験。技術向上だけでなく、徐々に参加者同士のコミュニケーションも増え、お互いにアドバイスし合う姿もありました。

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室温の確認や、タオルをかけるなどプライバシーを守る配慮、褥瘡(じょくそう)の原因となる服のシワを整えることの大切さのほか、「着替えの際にぜひ実践してほしいのが、利用者様に色や柄の違う2つの服から選んでもらうこと。ズボンは上の服を外に出すのか、中に入れるのか希望を聞いて、業務優先にせず心を込めて接してほしい。」という話も印象的でした。


「交流会」

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最後に7つのグループに分かれ、お菓子やドリンクが用意された和やかなムードの中、交流会が行われました。介護職の経験年数や所属、趣味など自己紹介から始まり、他の職場の現場の様子や待遇面、レクリエーション内容、休みの日の過ごし方など、様々な話で盛り上がっていました。介護職に就いてまだ1ヶ月の参加者は「利用者様に接するよりもまず他の職員の方に慣れることが大変で、仕事に行きたくないなと思うこともあるけど、同じ思いの方もいらっしゃり、気持ちが楽になった。」と話してくれました。同じ職場では相談できないこともここでは打ち明けることができ、支え合い、成長し合う場になっていました。

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