介護の勉強 私たちらしい学び方

伴 榛菜さん

  • 岐阜県立坂下高校 福祉科1年
  • 取材年:2023年

福祉科は友だちと助け合う場面が多く、楽しく学べます

私が生まれ育った地域では、下校時にはすれ違う人みんなと「おかえり」「ただいま」とあいさつを交わすのが当たり前で、子どもの頃からおじいちゃん・おばあちゃんはとても身近な存在でした。そういう環境の影響もあるかもしれませんが、はっきりと介護職を志したのは中学3年の時です。卒業後の進路を考える授業の中で、「将来は介護福祉士になって、地域のお年寄りの生活を支えたい」と発表したクラスメイトに共感。「私も一緒にがんばろう」と思い、彼女と同じ坂下高校福祉科に進学することを決めました。

福祉科のカリキュラムは、普通科と違い、介護福祉士の国家試験合格を目指すための専門科目が多くを占めます。幅広い分野を学ぶのですが、私にとって特に興味深いのは「心と体の仕組み」に関する授業。たとえば人の体内にはどんな器官があって、それぞれどのような働きをしているのか、老化とはどういうことか、などを学ぶと、高齢者の方を介助する時に気を付けるポイントやコミュニケーションの取り方におのずと納得感が得られます。
机に向かって教科書を読み、知識を得るだけでなく、車いす、介護用ベッド、特殊浴槽といった本物の福祉機器・用具を使いながら介助技術を身に付けていく実技や、介護の現場に赴く施設実習に取り組むのも福祉科の特色。先日、初めての施設実習でデイサービスへ1週間通いましたが、利用者さんたちから「ありがとう」の言葉や笑顔をたくさんいただき、改めて「介護福祉士って素敵な仕事だな。この道を選んで良かった」と思いました。

坂下高校福祉科は、少人数クラスでじっくりと学びを深めていけるのが魅力です。先生に質問がしやすいですし、友だちとは分からないところを教え合ったり、実習でロールプレイングをしたりと助け合う場面が多く、すぐに仲良くなります。私も入学後、新しい生活にスムーズに慣れることができました。
いま1年生の前期なので、介護福祉士の未来へ続く道は始まったばかり。仲間と一緒に笑顔で卒業できるよう、これからも努力を重ねていきたいです。

介護を学びたい人へのメッセージ

高校時代は私にとって最後の学生生活。せっかくだから、新しいことに挑戦して思いきり満喫したいと思い、ギター・マンドリン部に入部しました。坂下高校はギター・マンドリン部の強豪校で、今年も音楽コンクールの全国大会に出場する予定です。練習はほぼ毎日。私もできる限り参加して、先輩たちに教わりながら、担当するマンドリンの演奏技術を一生懸命磨いています。
「福祉系高校は勉強が忙しそう」と感じる人もいるかもしれませんが、私の周りでは勉強と部活動を両立している人がほとんど。勉強は、仲間がいれば何とかなります。よりキラキラした高校生活を過ごすために、入学を考えている人はぜひ、部活動にもチャレンジしてください。
※インタビュー内容は取材時のものです。

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